いっちゃん
1960年〜2024年まで。
1960年生まれ、0歳
タイトル:「逗子」
神奈川県の逗子で、広瀨家の長女として生まれる。
周囲からはあっちゃんと呼ばれていた。
母は「あつこ」と名前で呼んでいた。
記憶のにおい:海のにおい
1963年、3歳
タイトル:「海」
自分の記憶にはあまりないが、写真を見返したら、歩いて10分の距離あった海でよく遊んでいたようだった。134号線の渚橋近くの道路を潜ると海のにおいがしてきた。
1964年、4歳
タイトル:「福島」
父親の転勤で福島県へ。
中に大きなグラウンドのある社宅で、住んでいた。
1965年、5歳
タイトル:「桑の葉」
父の会社が絹を扱う会社で、社宅の近くには桑の葉がたくさんあり、養蚕をしていた。子供の頃は、社宅の入口にいたお蚕さんを指に乗せて遊んでいた。
1966年、6歳
タイトル:「ドーナッツ」
幼稚園に入園(年長1年間だけ在籍)。
同年代の子供たちと社宅内で遊ぶ。今思うと、誰でも入れる環境で、死角もあり危なかったと思う。友達の家で作ってくれる丸い形のドーナッツが好きだった。すごくいいにおいだったことを覚えている。親に作ってほしいとおねだりした。
におい:グラウンドの草、友達の家の揚げドーナッツ(丸い形)
1968年、8歳
タイトル:「逗子・親近感」
小学2年生。神奈川県の逗子に戻る。
全校生徒1000名近く在籍するマンモス校だったので、転校で不安や寂しい気持ちはあった。海の匂いと一緒に生きる日々。波の音、桜貝を拾い、岩の多い海辺ではウニが取れた。アメフラシを踏んでしまったり、フジツボが沢山あった。
庭に大きな柘榴の木があり、甘酸っぱいにおいがしていた。近所に同級生の友達の新築の家に毎日のように遊びに行った。セントバーナードを飼っていて、犬の名前が自分と同じ「あっちゃん」だったので、親近感を持っていた。
におい:犬のにおい、友達の家のにおい
1968ー1970年、8歳〜10歳
タイトル:「漫画と物置」
悪いことをすると叱られて家から出されて、物置に入れられた。カビくさいにおい。*悪いことと言っても、勝手に漫画をいっぱい購入して隠したりする程度。
記憶のにおい:週刊マンガのマーガレット、少女フレンドなど、藁版紙のにおい
1971年、11歳
タイトル:「埼玉」・「斑点柄」
埼玉県へ引っ越す。
・鍵っ子_
両親が共働きのため、夕方は寂しく家で過ごした。
友達の家がお惣菜屋さんで、天ぷらをよく買いに行った。お腹が空いて天ぷらの油のにおいを思い出す。
記憶のにおい:スーパーや、生鮮食品(お魚など)のにおい
・裏庭_
雨蛙の声。蛙を触って遊んでいた。水色の蛙や、トカゲをも触ることができた。しかし、今もヒキガエル、ホロホロチョウ、アメフラシ、芋虫系の斑点柄の生物は苦手。他の爬虫類系は好き。
1973年、13歳
タイトル:「足利」・「部活」・「小腹」
栃木県の足利に転校。
・中学1年生の時には、弱勝・バスケ部に入部した。バスケットコートの近くの桜の木下。小さい黒い虫が飛んでいて日陰でジメジメしていた。
におい:コートの塀の向こうの蓮華畑、蓮華の花の甘い香り、キツくないけれどいい香り、体育館の汗のにおい、バスケットボールとシューズのゴムのにおい
・好きな子_
小学生の頃は、目立つ人気者の子が好きだったけれど、マイナーな子を好きになった。ひっそりしている子で、友達にはその子のことが好きだとは言えなかった。
・コロッケ_
学校帰りに小腹が減って、お肉屋さんでコロッケを買って食べながら帰った。
記憶のにおい:ソースのにおい、木造校舎の学校のにおい、給食室のにおい
1976年、16歳
タイトル:「猫」「部活」
・猫を飼う_
外に遊びに行っていたので、帰ってくると外の埃っぽいにおいがした。また、自分の部屋で飼っていたので強烈なトイレ臭もたまにしていた。
記憶のにおい:猫のにおい
・新聞部_
友達と一緒に新聞部に入部。学校新聞を制作。
栃木県立は女子校と男子校に分かれていた。市内の新聞部の交流は、男子校と女子校で交流があった。オフセット印刷で、広告費を稼ぐために営業にも行った。
印刷所に原稿を持って行って制作依頼をしていた。
記憶のにおい: 印刷機や印刷所内のインクのにおい
1976ー1978年、16歳〜18歳
タイトル:「青春」・「向かい風」
・パン屋_
学校の隣にあるパン屋によく通った。
メロンパンの中にあんことバターが入ったパンが人気で、みんなで昼休みに買いに行った。
・チャリ通学_
切り通しがあり、冬は栃木県の赤城山の向かい風を受けながら登っていく。自転車で登るのは大変。その時の風のにおいを覚えている。
1979年、19歳
タイトル:「愛知」・「青春」
大学1年。愛知県の大学へ進学。
文学部社会学科応用社会学専攻に入学。
一人暮らしが始まる。女子だけの女子寮共同生活。バイトと旅行を楽しんだ。
美術工芸研究会(サークル)に所属。ポスター的な絵を描いたり、好きなテーマで作品を作っていた。
・旅行_
海、岬へ行った。島崎藤村の小説「椰子の実」の舞台になった伊良子岬など。学生でお金が無い為、魚を取りに行った。
1981−1982年、21歳〜22歳
タイトル:「電車」
・呉服屋さんの昼・夜ご飯を作るバイト、家庭教師、違う大学の研究室のお手伝いバイトに勤しむ。
・乗り鉄_
色々経験して、国内旅行(九州、四国、北海道)に旅行。
大学卒業後も年末は一人旅に出かけた。実は乗り鉄オタクで、電車が好き。
記憶のにおい: 電車、列車のにおい、都内の地下鉄の金属臭
1983年、23歳
タイトル:「社会人」
4月に東京の神田にある商社に入社。
主に事務仕事のOL時代。あまり記憶にないので、仕事が楽しくなかったのかもしれない。
記憶のにおい:ビルの無機質なにおい、紙、インク、コピー機、トナーのにおい
1984年、24歳
タイトル:「Design」
代々木のデザイン系の夜間専門学校に通い始める。
当時、市川で一人暮らしをしていた。代々木からの帰り道とか、会社の帰り道に御茶ノ水のレモン画翠(画材屋)で画材のにおいを楽しんでいた。
記憶のにおい:レモン画翠の画材のにおい
1983−1984年、23歳〜24歳
タイトル:「列車」・「旅」
・新聞紙_
貧乏旅行の時は、急行列車の4人座席の空いている座席や床に新聞紙を敷き、窓見に新聞紙を貼り寒さを凌いだ。新聞紙は必需品。
におい:新聞紙、列車内のにおい
・ナマハゲ_
秋田の男鹿半島。5月、レンタサイクルで半島の上り坂、下り坂を無理無理と言いながら見た絶景は忘れられない。ユースホステルに宿泊し、そこで出会った人たちと一緒に出かける旅先ならではの過ごし方。
記憶のにおい:しょっつる鍋、きりたんぽ
1987年、27歳
タイトル:「結婚」
いとこの友達と結婚。退社。
1988年、28歳
タイトル:「神戸」
・2月長男誕生。赤ん坊なのに男臭くて、頭のにおいを嗅いで、なんだこいつ!?と思っていた。
・主人の転勤で、神戸に引っ越し。
港や海が近かった。朝に船の警笛の音が聞こえてきた。川で子供たちと遊ぶ。泥と水の混ざるにおい。
記憶のにおい:長男の頭のにおい、泥と水の混ざるにおい
1991年、31歳
タイトル:「京都」
神戸にいた際に、長女誕生。
その後、京都府の嵐山・嵯峨エリアへ転勤。とにかく観光客が多く、子供連れでベビーカーを引く人にはあまり優しくない街だと感じた。
土地柄、豆腐と和菓子がすごくおいしかった。
それまで和菓子が苦手だったが、好きになった。
記憶のにおい:近所の豆腐屋さんの豆のにおい
1993年、33歳
タイトル:「多摩」
東京都の多摩にあるニュータウンへ引っ越す。
電車で帰ってくると、人が多すぎず、空気が少し違う気がした。
ニュータウンなので、無機質な団地が多かった。
大学の卒業論文の時、調査で名古屋の高蔵寺ニュータウンなどに行っていたため、団地に対して違和感は全くなく、馴染みがあった。子どもは近所の子どもと遊んでいた。公園などがあったので、京都よりも遊びやすかった。
記憶のにおい:子供を遊ばせていた水場のみずのにおい、ローズマリーのにおい
2009年、49歳
タイトル:「戸建」
多摩市内の戸建てに引っ越した。
進行性の網膜色素変性症、劣性遺伝。
視界の中心から、見えなくなった。最初は、文字が認識できなくなったことから、おかしいとなった。学校のプリントとか書籍の文字が見え辛くなった。
記憶のにおい:庭に植えた木のにおい、家の学校の木のにおい
2011年、51歳
タイトル:「震災」
東日本大震災の時は、長女と家にいた。家が歪んで揺れているような状態だったので、避難できなかった。ちょうど、地震の際には伊豆にいた母親と電話していた。
見えなかったので、一人で買い物行くのも並ぶのも大変だった。
長男は就職活動中の電車の中で被災。携帯の充電が途中で切れてしまった。こちらも情報などを送っていたが、息子は確認できず近くの中学校で一夜を明かして、翌日家へ戻ってきた。
2013年、53歳
タイトル:「家」「鳥」
長女が大学卒業した。
視力が落ちてきたので、好きなことをして家にいた。
嫌ではなかった。一人で家にいることは、元々好きだったから。そんなに苦にならなかった。
寂しいという感じではなかった。
インコの独特なにおい。頭から首筋にかけてのにおいは、1日のうちで朝から夕方で変化する。夕方の方がにおう。引っ越してから、ずっと同じ部屋にいて心のよりどころになっている。嬉しい時や悲しいとき、いつでも話しかけていた。
2013−2015年、53歳〜55歳
タイトル:「旅」
主人が会社を定年(60歳)。その後、1〜2年間は働いていた。長野県の松本など、夫婦水いらずで、旅行をした。
栃木の足利の叔父などが亡くなり、葬儀関係が続いていたので、そちらへもよく行った。
カシオペア乗って、乗り鉄満喫の旅。北海道も釧路、網走、道内を観光して回り、贅沢な旅をした。
記憶のにおい:自然のにおい、緑のにおい
2017年、57歳
タイトル:「天国」・「新道」
主人が病気のため他界。
亡くなったあとは、しばらく落ち込んだ。
視力の病気もどんどん進行していった。
区役所などに連絡して、音声読み上げパソコンについて学ぶために、日本点字図書館の講習に出るようになった。
2020年、60歳
タイトル:「Covid-19」
コロナについては、それほど神経質に気にはしなかった。外出する際に歩行訓練をガイドさんに頼めないことが一番困った。厳しい制限が設けられていたが、私が頼んだガイドさんは対応してくれたので、有難かった。
2022年、62歳
タイトル:「花」
スマートフォンの教室でサポーターのボランティアをしている。歩行サポートのアプリが最近よく出ているので、映画を見に行きたいと思ったとき、映画を見に行ったりしている。
庭にあるオガタマノキ(常緑樹)の花が5月頃に咲く。花はバナナのような甘いにおいがする。午前中よりも午後の方がよく香る。ジャスミンも夜に香る
2024年、64歳
タイトル:「一人旅」
長野県の松本に知り合いのお店、お蕎麦屋さんやおでん屋さんがあるので、アプリなどを活用して、一人で電車の旅に挑戦してみたい。
現在、clubhouse(アプリ)で、本について語らうグループにほぼほぼ毎日参加しているので、そこで知り合った友達が全国にいるため、オフ会に参加したい。